「離婚したい」と思ったら読んでおくべき離婚の準備から手続きまで

離婚

今や、3組に1組の夫婦が離婚する時代。

結婚している夫婦なら、一度は「離婚したい」と考えても不思議ではない世の中になっています。今、あなたが「離婚」を考えていることはそんな珍しいことではありません。

ですが、離婚にどんな手続きが必要で、どんな知識が必要か知っていますか?

この記事では、「離婚したい」と思った時に知っておくべき知識と離婚の手順についてお伝えします。

1、「離婚したい」と思ったらまずすべきこと

「離婚したい」と思った瞬間に、相手にすぐさま離婚を告げるのは得策ではありません。離婚を切り出す前に、まず準備が必要になります。

(1)離婚理由を明らかにする

離婚には、さまざまな理由があります。まずはあなた自身が離婚したいと思う理由を明らかにしましょう。よく言われる離婚理由に次のようなものがあります。

  • 生活習慣の違い
  • 性格の不一致
  • 価値観の違い
  • 借金、ギャンブル癖が治らない
  • 子育て方針の違い
  • 嫁姑問題や親族問題 など

この時注意しなければならないのは、夫婦二人だけの話し合いで離婚が成立するならばどんな理由でもいいのですが、もし話し合いがうまくいかず、調停や裁判となった時には法律で定められた離婚理由でしか離婚ができないという点です。

法律で離婚が認められているのは、

  • 配偶者以外と性的関係を持つ「不貞行為」があった
  • 扶養義務を怠ったなど悪意の遺棄があった
  • 3年以上、生死が不明
  • 回復の見込みのない強度の精神病を患っている
  • その他、ドメスティックバイオレンスや長期間の別居生活、性格や性的な不一致など婚姻関係を継続しがたい「重大な事由」がある

の5項目です。

(2)証拠を押さえる

あなた自身が離婚したい理由を整理したら、まずは理由となる行為があったのだという証拠を集めましょう。

家事放棄なら家の中の写真や日記、不倫なら密会現場の写真やメールのやりとり、DVなら診断書などです。

これらは夫婦の話し合いの場のみではなく、その後の調停や裁判でも役立ちます。

ただし、違法に収集された証拠や改ざんが容易なデジタルデータは裁判所に証拠として認めてもらえないことがありますので、探偵事務所などに相談し、プロに証拠を押さえてもらいましょう。

(3)離婚の準備をする

離婚にも、タイミングがあります。例えばあなたが専業主婦で、すぐに収入を得ることができない場合、今すぐに離婚を切り出すのは難しいでしょう。

また、あなたが会社員でお子さんがいる場合、これまで面倒を見てきた配偶者がいなくなってもいいように、お子さんの預け先を確保しておく必要があります。

そういった準備も離婚には必要なのです。

次の点をクリアにしておきましょう。

  • 離婚後の収入は確保しているか
  • 離婚後の住居は確保しているか
  • 離婚後の生活の目処はついているか
  • (お子さんがいる場合)親権は欲しいか、欲しいのならば離婚後の養育環境は整っているか

これらの準備が整うか、あるいは目処がつくまで、離婚を切り出すのは避けましょう。

改善の話し合いをしつつ、水面下で準備をすることをお勧めします。「共に生活するのは1日でも耐えがたい」という場合には、別居も視野に入れましょう。

ただし別居の場合、こちらが先にアクションを起こすことで、相手の態度も硬化するかもしれません。パートナーの性格をよく考えて決断しましょう。

2、離婚を切り出す前に

離婚準備が整ったら、いよいよ離婚を切り出します。恋人同士なら「別れる」「別れない」だけで済みますが、離婚には他にも話し合わなければならない事柄があります。

あなた自身の希望を話し合いの前のまとめておきましょう。

(1)夫婦の資産はどうする?

夫婦として共に生活してきた間に築かれた資産は、夫婦共通の資産としてみなされます。基本的には離婚時に互いに分けるものです。

ただし、夫婦の共有財産には結婚前の資産は含まれませんので注意しましょう。

①財産分与ってなに?

夫婦で培った財産を家庭への貢献度合いに応じて分けることを「財産分与」と呼びます。具体的には住宅や家具、車、預貯金、保険、有価証券などです。

結婚後に築かれた資産であれば、夫婦片方の名義であっても財産分与の対象となります。

また、財産分与の際に離婚原因がどちらにあったかは基本的には加味されません。こちらは別途慰謝料などでバランスを取るケースが多いようです。

  • 財産分与の対象にならないものは?

また、結婚後の財産であっても、財産分与の対象にならないものもあります。

例えば親の遺産など、「夫婦の協力とは関係なしに発生した財産」は個人のものであると考えられます。

同様に、離婚前であってもすでに別居をしていた場合には、別居を基準として、別居前の資産が対象となるケースが多いようです。

  • 借金も分けなければいけない?

財産分与の対象には、マイナスの資産である借金なども含まれます。

ただし、借金をした理由が「夫婦の生活を維持するため」であれば対象になりますが、「個人でパチンコを楽しみたかったから」などの理由では財産分与の対象とはなりません。

あくまで、夫婦の生活において生じた財産を分けるのが財産分与です。一般的には、プラスの資産からマイナスの資産を引き、プラス分の余った分を分与するケースが多いようです。

  • 年金分割とは

離婚に際して、「年金分割」というワードを耳にすることがあると思います。

「確かに夫婦で年金を払ってきたけど、どうして離婚後に変更手続きするだけではいけないの?」と不思議かもしれません。

婚姻期間中は、夫婦のうち収入の多い方がより多く年金の保険料を納めています。

これをそのままにして、年金資格だけを変更すると、収入の少なかった方は年金を収めた実績も少ない状態となってしまうのです。

結果的に、将来受け取る年金が少なくなってしまいます。

この不平等をなくすため、収入の多い少ないにかかわらず、婚姻期間中の年金を平等にわけようというのが「年金分割」という制度です。

こちらは、離婚後2年以内の手続きをしなければならないので注意しましょう。

離婚後は相手と連絡が取りにくくなることも多いので、離婚時に同時に手続きする人がほとんどです。

  • ペットはどうなる?

基本的には財産分与ですべての資産が分けられます。その中でも最近注目されているのが、「ペットはどちらが引き取るのか」という問題です。

昭和の時代なら番犬代わりに飼うことが多かった犬も、今では愛玩犬が主流ですし、猫や鳥、爬虫類などペットの種類も多岐に渡ります。

ペットの飼育にもお金がかかるケースが増えてきたため、離婚時にトラブルとなることも少なくありません。

婚姻期間中に飼ったペットがいる場合は、どちらが引き取るのかも考えた方がいいでしょう。

  • 慰謝料が発生するケース

不貞行為やDVがあった場合には、慰謝料を請求することができます。財産分与の際に慰謝料分として多めに分与するケースや、別途支払うケースなどがあります。

(2)子供の親権は?

お子さんがいる場合、親権で揉めるケースが非常に多くなります。「離婚には合意しているが、親権を互いに譲らない」と調停や裁判になるケースも珍しくありません。

15歳以上のお子さんでしたら、本人の意思が尊重されますが、それ以外の年齢では父母の養育環境を鑑みて決定がなされます。

日本では母性神話が強く、親権は母親が得る傾向にあります。もし、あなたが父親であり親権を望む場合には、十分な養育環境を用意する必要があるでしょう。

それでも親権を得られるとは限りませんので、頻繁にお子さんに会えるようにすることをお勧めします。

3、離婚の話し合いをする

自分の希望をまとめ、離婚できる環境が整ったら、いよいよ離婚についての話し合いをしましょう。

(1)夫婦で離婚を話し合う(協議離婚)

夫婦で話し合い、離婚に至ることを「協議離婚」と呼びます。あなたに離婚の意思があることを告げ、配偶者の意見を聞きましょう。

離婚に対して合意が得られた場合には、前の項目でお話させていただいた財産分与などの具体的な話をしていきます。

お子さんがいる場合は養育費や面会の取り決めも忘れずに。決めたことは公正証書などにして残しておくと、後のトラブルを防止できます。

①相手に改善の意思がある場合は?

あなたが離婚の意思を伝え、相手が改心し、実際に行動を改めることがあります。「そこまで思いつめていると思わなかった」というケースです。

あなた自身が許せるのであれば、離婚をする必要はないでしょう。ただし、口だけで何もしない時はそのままの生活が続く恐れがあるので注意が必要です。

この場合は、配偶者に対して「ここまでに改善が見られなければ離婚する」と期限を切りましょう。

②離婚届はどちらが出す?

離婚届はどちらが出すか、というのも夫婦間で話し合いましょう。最後の共同作業として提出するのもケースもありますし、どちらか片方が提出することもあります。

③調停で離婚を話し合う(調停離婚)

夫婦間の話し合いでは解決しない場合、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。

正しくは「夫婦関係調整調停」と呼び、離婚調停の他に夫婦関係を改善するための「円満調停」も申し立てできます。

調停では原則、夫婦が顔を合わせることなく調停委員を通じて交互に話し合いが進められていきます。

ここで大事なのは、調停委員へ与える印象が結果に影響することにもなってきますので、ご自身のお気持ちや考えがきちんと調停委員に伝わることです。

調停で話し合いがまとまり、お互いに離婚に合意した場合には、裁判官・裁判書記官が立合い調停調書を作成して調停が成立します。

調停調書には合意内容が記されます。調停調書への記載事項は、確定した判決と同じ効力を持ちますので、後から不服の申立てなどはできません。

(2)裁判所に離婚を決定してもらう(審判離婚)

離婚調停をしている夫婦が調停でも話がまとまらず調停が成立する可能性が低い場合や明らかに離婚した方がいいと思われる場合に家庭裁判所は調停委員の意見を聴いて裁判所の職権で離婚の処分をすることができます。

双方の意に反して強制的に離婚を成立させることができます。

調停離婚が成立する可能性が低い全ての場合に判断が下されるというわけではないので事例としては他に比べて低いケースです。

審判を下されたときは、2週間の異議も申立て期間を過ぎれば、審判が確定し離婚が成立します。

(3)裁判して離婚する(裁判離婚)

夫婦間での協議離婚の話し合いでもまとまらず、家庭裁判所の調停・審判でも不成立になった場合は、家庭裁判所に離婚の訴えを起こすことができます。

調停を経ず離婚の訴訟を起こすことはできません。

裁判となれば法律が定めた離婚原因がなければ離婚できないため、裁判に進む可能性がある時は、法律が定めた離婚原因があるかどうかも検討しておかないといけません。

ここで、最初に用意していた証拠が役立つのです。

ちなみに日本では、協議離婚が全体の90%以上だと言われています。裁判離婚にまで発展するケースはごく稀で全体の1~2%ですので、そこまで身構えなくてもいいかもしれません。

4、離婚が決定したら

離婚が決定してほっと一息つきたいところですが、実は諸手続きがあります。

戸籍に関するものはもちろん、パスポートや免許証、保険関連、お子さんを引き取る場合には学校関連の手続きやお子さんの健康保険などです。

あなたが引越しをする立場なら、新居の手配や引越しの準備もあります。

離婚について精一杯で、その後の手続きのことは忘れがちなので、自分にはどんな手続きが必要なのか事前に調べておきましょう。

5、離婚してホントに良かった? 離婚後の体験談

自分にとっては「離婚したい」と思うほどだった結婚生活。でも、離婚した人は後悔しないのでしょうか? 実際に離婚した人の体験談をまとめてみました。

(1)離婚してよかった人の体験談

「毎日殴られるなどDV漬けの日々。心身を病み離婚を決意。離婚後は夫に怯えることもなく、体調も回復し、ようやく日常を取り戻しました。

夫に怯えることなく生活できることがこんなに幸せなんて……本当に離婚してよかったと思います」(ミント:女性:31歳)

「離婚してから子供たちに笑顔が戻ってきたのが何より嬉しかったです。離婚前は私たち夫婦がしょっちゅう喧嘩しているのを見ていたので、親に気をつかわせてしまっていました」(ぺんた:女性:30代前半)

参考:https://moomii.jp/couple-family/divorce-good.html

離婚後に自分を取り戻したり、家族にゆとりが生まれて、「離婚して良かった」と思う人が多いようです。また、離婚したために経済的な余裕が生まれたという人もいます。

(2)離婚を後悔している人の体験談

「結婚生活に理想を持ち過ぎて、夫が直すと言っても信じられず結局離婚。

今なら理想の夫を追いかけ過ぎていたのだとわかります。あのとき別れてしまったことを、今は後悔しています」(マメ大福:女性:30代前半)

「仕事で疲れている時に構ってほしがる妻を邪険にしたことがきっかけで夫婦関係にヒビが。

どうにも改善できず、結局離婚。住宅ローンがまだ20年残っている家で一人食事をしていると、思い出されるのは付き合い始めた当初の可愛い妻の姿ばかりです」(サーバー:男性:34歳)

参考:https://moomii.jp/couple-family/divorce-regret.html

離婚後にさまざまな経験を経た後、「あの時自分の心が狭かったかな……」と思う人が多いようです。

ただし、それも離婚後に経験して初めてわかったこと。「今だったら許せる」と思っても、当時には戻れないと後悔している人もいます。

まとめ

いかがでしたか?今回は「離婚したい」と思った時に知っておくべきことについてお話しました。長い夫婦生活において、誰しも一度は離婚が脳裏をよぎる時があるでしょう。

離婚後の生活なども踏まえ、後悔のない選択をしてくださいね。この記事があなたの決断の参考になれば幸いです。